北海道の真ん中で人生初のビジネスに挑戦した話
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■この在校生コラムは【28日】に更新予定です。*
この連載では「等身大」「もがきながら成長している生徒の軌跡が見えること」という彼女の決めた大切な想いを軸に、スタッフや職員は修正を加えず、ありのままの彼女の生の言葉を掲載していきます。
一般的なレールに沿った公教育の学びではなく、日本と世界を舞台に、常に自分自身と向き合いながらあえて大きな挑戦を繰り返している彼ら。
楽しいだけはない、人生と社会の「答えのない問い」に向き合う学生生活。
そんな在校生の一人から毎月リアルタイムで届く想い、成長の軌跡をぜひ毎月ご覧ください。*2024年度は卒業プロジェクトの関係上、不定期での更新となります。
◼️アーカイブ記事一覧(最新5件)
#8 「私にとってのビジョン / 石垣・西表研修」
2024-03-28
#9 「2024年度スタート!‐私にとってラストの1年‐」
2024-04-28
#10 「エステティックグランプリ 東北エリアファイナル」
2024-05-28
#11 「ニュージーランドに住んでみたくなった話」
2024-06-28
#12 「【番外編】ライターMの在校生ストーリー「新コアスキル誕生!!」」
2024-08-21
始めに
こんにちは!在校生ライターのMです!
今回は7月に北海道上川町で実施した、層雲峡研修についてです。
この層雲峡でのビジネスプログラムを通じて、私がどのようなことを学んだのか、何を見て何を感じたのかをお伝えします。
層雲峡(森プロ)研修
◼️参考導入映像
概要
森プロとは「森プロジェクト!〜学びの森をみんなで創ろう〜」というプロジェクトの略称です。
このプロジェクトは、北海道上川町から特別に町有林の一部をお借りし、インフィニティ国際学院の生徒がその管理・活用に取り組むというものです。
私たちは、その森を「インフィニティの森」と名づけ、自分たちの手で様々なものをクリエイティブに作り、森を居場所にしていく課題解決型プログラムを実行しています。
昨年は、高等部生がクラウドファンディングで資金を集めたのち、ログハウスを建てました。
今年は中等部と高等部の垣根を超え、「森チーム」を1つ、「ビジネスチーム」を2つの計3チームに分かれ、計画から実行まで各チームで行いました。
このプロジェクトを通して、
・ビジョン構築力
・突破力
・セルフマネジメント力
・コミュニケーション力
・チームワーク力
を伸ばすことを図りました。
森チームは、昨年度建てたログハウスの横に、東屋を建てるプロジェクトをしました。
一方、ビジネスチームは【上川ファミリーオートキャンプ村チーム】と【山一食堂チーム】に分かれ、
・新サービス
・新プロモーション
のいずれかを実施するという活動をしました。
今回の活動は、それぞれの店舗のオーナーの方や管理人にビジネスアイディアを採用してもらうことがゴールです。
私は、ビジネスチームで上川ファミリーオートキャンプ村を担当し、3名で活動しました。
今回ビジネスチームの活動は以下のようなスケジュールで行いました。
日程 内容 DAY1~DAY7 調査・企画・検証 DAY8 中間プレゼン・フィードバック DAY9&DAY10 フィードバックのまとめ・方向性決め DAY11~DAY14 プロトタイプ制作・検証・販売・実行準備 DAY15~DAY17 販売・効果測定・改善 DAY18 最終プレゼン
DAY1~DAY7 調査・企画・検証
研修の序盤はビジネスのフレームワークとカスタマーボイスの収集をしました。
アイディア出しにおける「発散」と「収束」のフェーズの違いについて、カスタマージャーニー(※)について、デザイン思考(※)についてなど、多くのビジネスに関する知識をインプットしました。
この期間で特に印象に残っているものは、オズボーンのチェックリストです。
これは、アイディア発想の手法の1つです。
・転用:Put to other uses 他に使いみちを探してみる
・応用:Adapt 他からアイディアを借りてみる
・変更:Modify 修正する
・拡大:Magnify 大きくしてみる
・縮小:Minify 小さくしてみる
・代用:Subsitute ほかのもので置き換えてみる
・置換:Rearrange 入れ換えてみる、アレンジし直してみる
・逆転:Reverse 反対にしてみる
・統合:Combine 組み合わせてみる
これら9つの項目があり、1つ1つ考えていくことでアイディアを抽出します。
私は、アイディアが流れるように次々に出る時の感覚が好きで、その感覚を得る助けになりそうだと思いました。
また、新たな知識に出会うことで視野が広がる感覚がありました。
この期間は初めて触れる知識ばかりで、それらを処理し切れないまま日々が過ぎていきました。
なにより、どこからともない思考の凝りを感じていて、それを解消するのに苦労していました。
という顧客の購買行動の一連の流れを指す。
共感→問題定義→アイディア創造→試作→テストのステップを踏む。
DAY8 中間プレゼン・フィードバック
中間プレゼンの目的はビジネスアイディアを発表し、チューターやオーナー、管理人からフィードバックを貰うことでした。
私達のチームでは、DAY7までの期間に出たイベントアイディアと思う通りにプロジェクトが進まない現状についてを発表し、フィードバックを貰いました。
イベントの内容は、
日中はファーマーズマーケットを開催し、たくさんの方とのコミュニケーションの機会を作る。
夕方からは、焚火を囲みながら、顧客と管理人や講師の方とキャンプ村の自然を感じながらそれに関するお話し会をする。
という構成で考えていました。
その結果、
✔️実際のスケージュールに落とし込んだ時に、自分たちでは管理しきれない領域まで関わってくるため、時間的制約が大きい
✔️イベントの結果によってはキャンプ村や協力をしていただいた方にかかってくるリスクが伴う
というフィードバックを貰いました。
また、この時点で、
✔️カスタマーからの課題を解決しているような構成ではないため、プレゼン段階での効果の立証が難しい
という課題も感じていました。
フィードバックを貰った時、正直
「まあ、そうだよな。そういう内容のフィードバックになるよな…。」
と感じました。
どのフィードバックも思った通りで、凄く当たり前のことでした。
中間プレゼンまでの期間は、アイディアに対して多くの課題を感じていたけど、発表が迫ってしまっているからまとまらないものをまとめている感覚がありました。
予想通りすぎるフィードバックを受け、それに対する解決策を出すところまで進められなかったことを後悔しました。
また、多くの情報をインプットしていたはずなのに、それを活かせている実感もなく、勿体なさを感じました。
中間プレゼンの最後に全チームの発表が終わり、拍手が起こったとき
「なんか、終わっちゃった…。」
と思いました。
そのくらい、何もできなかったし、しなかったと感じました。
勝手に時が流れて終わってしまったようでした。
DAY9・DAY10 フィードバックのまとめ・方向性決め
中間プレゼン後の2日間は、フィードバックをまとめ、方向性を修正しました。
イベントのアイディアは出ていましたが、実現性の低さの面で、方向性の変更はやむを得ないものでした。
そこで私達のチームでは、オーナーの方や管理人の方の思いを受け取り、新ウェブサイトの制作をすることに決めました。
このタイミングでチーム面談も行い、それぞれが感じていた噛み合わなさについて話し、スピードを上げて活動を進められるようにもしました。
実はそれまで、
「それぞれ持っている要素が違っているから、チームになったら良い動きができるはずなのに、何かがずれていて上手くいってない気がする…。」
というような歯がゆさを感じていました。
根本的な解決とまではいかなくとも、状況が改善してくれることを願い、その感覚を伝えました。
DAY11~DAY14 プロトタイプ制作・検証・販売・実行準備
方向性がウェブサイトの制作に決まってからはやることだらけで、焦りを感じました。
思考の凝りや自分が何もしていない感覚と向き合っている暇なんていうものはありませんでした。
カスタマーボイスをまとめて必要であれば再度集め、オーナーの方や管理人の方からのお話を基にウェブサイト上でなにを伝えていくのかを決めました。
そして、キャンプ村の魅力を確立させ、ウェブサイトに使用するテンプレートの決定を行いました。
私は主に、ウェブサイトに掲載するキャッチコピーや紹介文など、文章周りのタスクを担当しました。
いいアイディアが思いつくかどうかには波があって、納得いかないアイディアを前にどうしたらいいか分からなくなった日もありました。
しかし、次の日には多くの良いアイディアが出て、自分の中の波を不思議に感じました。
私が悩みながらアイディアを出している間に、1人はウェブサイトのレイアウトやデザインを考えてラフ画を描き、もう1人はそれをデジタルに落とし込むことをしてくれました。
チーム面談や多くの話し合いを経たことによって、それぞれの得意を活かした役割分担になったのだと思います。
しかし、あるチームメンバーを見ると、明らかに睡眠時間と食事量が減ってしまっているメンバーがいて、負荷がかかりすぎているのではないかと心配になることもありました。ただ、彼が持っているタスクは私が不得意な分野で、どう動けば良いのか分かりませんでした。
「寝て」 「ちゃんと食べて」
と口では言いながらも何もできない自分に無力感を抱きました。
あの時どう動けば良かったかが今も分からなくて、これから模索していく必要があると感じています。
DAY15~DAY17 販売・効果測定・改善
この期間でウェブサイトを公開し、新ウェブサイトと旧ウェブサイトを比較できるアンケートを取りました。
そして、アンケート結果からウェブサイトの改善をし、再度アンケートを取りました。
その結果、旧ウェブサイトよりも新ウェブサイトの評価が高いこと、初期段階の新ウェブサイトより新ウェブサイト改善後の評価が高いことが数値として立証できました。
それをプレゼンに落とし込み、発表の準備を進めました。
中間プレゼンからの大幅な方向性の変更、ウェブサイトの制作、アンケート結果と要素が多く、それを1つのプレゼンになることをイメージしながら各項目をまとめていくのに苦戦しました。
また、タスク割りのアンバランスさがここでも露呈していました。
その中でも、それぞれが深夜までもしくは徹夜で作業し、なんとか最終プレゼンを迎えました。
DAY18 最終プレゼン
不安はありましたが、想像していたよりも緊張していなくて、そんな自分に少しだけ驚きました。
でも考えてみたら、最終プレゼンよりも多くの人の前で発表したり司会をしたりした経験があったから場慣れしてきているのだと気付きました。
それが自信になり、練習していた通りに発表できたのではないかと思います。
ほとんど本番中のことは覚えていないのですが、
「もっと(キャンプ村に)来てほしかった」
という管理人の方の言葉だけははっきり覚えています。
その言葉を聞いて
「私も、もっとキャンプ村に行きたかった。」
そう思いました。
管理人ご夫妻とお話させていただいた時間は楽しかったし、もっとキャンプ村について知った上でウェブサイトを作れたらよかったと思いました。
上を目指したらキリがないのかもしれないけど、そう言わせてしまったこと悔しかったです。
有難いことに、ビジネスプロジェクトを実施した2チーム間での評価対決には勝つことができ、新ウェブサイトは部分採用という形で終わりましたが、達成感や嬉しさだけではなくてやりきれなさも残りました。
振り返って
率直な感想としては、凄く好き勝手やらせてもらったなと思います。
自分に嫌な負荷をかけることなく、活動した期間でした。
それによって、メンバーに負荷をかけてしまうことも多かったのではないかと感じています。
良く言うとするなら、その分、確実に手に入れたいものを手に入れられるようになってきたような気もしています。
ただ、「まだまだいけたな」という思いもあります。
精神的に滅入ってしまって、部屋から出れなくなったあの頃から一年が経ち、自分を守る方法がだんだん分かってきて、できることをやりながらもどこかセーブしながら研修に参加していました。
その結果、余力の残った状態で研修を終えました。
もっと頑張ってみたかったし、もっと走ってみたかった。
そう思っています。
同時にどこか大きな疲労感も感じていました。
序盤から中盤にかけて、ずっとゴールが見えない不安な状態での活動でしたし、休日も活動したり夜遅くまで話し合ったりと体力的に大変な時もありました。
今回はまだ余力があっただけで、ずっと続けられるものではなかったと思います。
その中でも、確かに言えることは、オーナーの方と数時間ウェブサイトに掲載する文章について話し合った時の部屋の暑さと話し合いの熱が重なっていくような感覚やメンバーと日付が変わるまでウェブサイトのレイアウトについて議論した時の眠いはずなのに信頼と充実感を感じながら醒めている状態が自分にとって心地よく、好きであることだと思います。
こういった経験と感覚は自分を満たしてくれる要素でした。
全肯定はできないしするべきではないと思うけど、今回の研修を振り返ると、そんな記憶によって研修直後も今も「あの期間は良かった」と言えます。
終わりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
コラムを書いていると、毎回たくさんの思い出が浮かんできて、多くの感情を抱きます。
今回はいつも以上に、コラムを書かせていただいていること、たくさんの経験をさせて頂いていること、そして何より読んでくださる方がいらっしゃることを有難く感じながら書きました。
何か少しでも感じてくださったのであれば嬉しいです。
感想はインフィニティ国際学院の公式InstagramのDMまたは公式LINEのメッセージにお願いします。
どうかこの活動が私と読んでくださる方にとって何かのきっかけになり、
いつか「意味があった」と笑って振り返ることができる、確かな道になりますように。
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インフィニティ国際学院 高等部 在校生ライターM
インフィニティ国際学院 2022年4月入学 4期生