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TOPページ > コラム > ライターMの在校生ストーリー #06 世界一幸福度が高い国で考えた「幸福ってなに?」(2023.12月号)
2023.12.28

在校生コラム

ライターMの在校生ストーリー #06

#在校生#高等部

世界一幸福度が高い国で考えた「幸福ってなに?」

目次
始めに
世界一幸福度が高い国
幸福ってなんだろう?
終わりに

■この在校生コラムは【毎月28日】に更新予定です。

この連載では「等身大」「もがきながら成長している生徒の軌跡が見えること」という彼女の決めた大切な想いを軸に、スタッフや職員は修正を加えず、ありのままの彼女の生の言葉を掲載していきます。

一般的なレールに沿った公教育の学びではなく、日本と世界を舞台に、常に自分自身と向き合いながらあえて大きな挑戦を繰り返している彼ら。

楽しいだけはない、人生と社会の「答えのない問い」に向き合う学生生活。
そんな在校生の一人から毎月リアルタイムで届く想い、成長の軌跡をぜひ毎月ご覧ください。

始めに

こんにちは!在校生ライターのMです!
 
2ヶ月更新を休んでしまい、申し訳ありませんでした。
読者の皆様により楽しんでもらえるように、試行錯誤していました。
 
今後はパワーアップしたライターMをお届けできるように頑張ります!
今回は9月号で少し触れた、現在インフィニティ国際学院高等部が学びの場としている、「南太平洋に浮かぶ島国フィジーと幸福」について取り上げていきます。

世界一幸福度が高い国

私達インフィニティ国際学院高等部は9月中旬から12月上旬までの3カ月弱、
 

【目標1】世界幸福度第1位の国で幸福の秘密を肌で感じる。
【目標2】好奇心に基づいた探究活動を通して学習者としての自立を目指す。
【目標3】語学学校での授業と海外での生活を通して生きた英語力を培う。

 
という3つの目標を掲げて、南国フィジーを旅していました。

フィジーは1万8,270平方キロメートル(四国とほぼ同じ大きさ)、2021年時点で人口924,610人の国です。人口の57%をフィジー系が、38%をインド系が占めています。
首都はスバで、公用語は英語、フィジー語、ヒンディー語です。
 
インフィニティ生が通っている語学学校では会話に“英語”が使われています。
一方、フィジー人同士の会話では“フィジー語”が使われていました。
 
フィジー語には英語の「Hello」に当たる、「Bula」という言葉があります。
滞在先を出て少し歩くと、すれ違う人の半分くらいは笑顔で陽気に「Bula!」と挨拶してくれます。
 
その挨拶を聞くと、フィジー人の陽気さやフレンドリーさが実感でき、温かい気持ちになります。
 

また、フィジー系の人々とインド系の人々では、信仰している宗教も異なっています。
 
フィジー系はほぼ100%がキリスト教を信仰していますが、インド系はヒンドゥ教、イスラム教に分かれるようです。全人口に占める割合はキリスト教52.9%、ヒンドゥ教38.2%、イスラム教7.8%となっています。
 
フィジーには「ロボ料理」という伝統的な料理があり、地中に掘った大きな穴に焼石を入れて3時間から半日かけて食材を蒸し焼きにするという特殊な調理方法で作られます。主に村での行事や結婚式などの際に振る舞われる特別な料理です。
 
個人的にはフルーツがとても好きなので、日本よりも手軽にフルーツが手に入る環境なのが、私の中でのフィジーのお気に入りポイントです。
また、自然が豊かで南国らしいヤシなどの植物と夕焼けの組み合わせがとても綺麗です。

「ロボ料理」というフィジーの伝統的な料理
地中に掘った大きな穴に焼石を入れて3時間から半日かけて食材を蒸し焼きにする
自然が豊かで南国らしい植物と夕焼けの組み合わせ

フィジーでのスケジュール

フィジーは2011年と2014年のアメリカのギャラップ・インターナショナルとWIN(Worldwide Independent Network of Market Research)が共同で行っている「幸福度調査」で、世界1位になっています。
 
私たちは今回のフィジー研修を通して、ビジョン構築力・創造的思考力・語学力・コミュニケーション力・セルフマネジメント力を養うことを目指しています。
 
そのために、インフィニティ生は次のようなスケジュールで生活しました。

時間 内容
07ː30 チェックイン(その時の気持ちをみんなに共有して場や学びに入りやすくする時間)
08:15 登校
08:30~15:30 語学学校(※1)
15:30~ マイプロジェクト(※2)、面談、買い物、フリータイム等
17:00 自炊(当番制)
19:00 夕飯・チェックアウト(1日の気付きや振り返りをみんな話してその日の学びをまとめていく場)
夕飯後 フリータイム

 

(※1)【目標3】語学学校での授業と海外での生活を通して生きた英語力を培う。


 
現在、私達インフィニティ生は英語留学として語学学校である「COLORS FIJI English School」に通っています。1日のスケジュールは、グループレッスン4コマ、1on1レッスン1コマ、自習時間1コマの6コマで、フィジー人の先生がそれぞれのレベルに合わせて授業してくれます。
 
インフィニティが目指す「生きた英語力」とは知識としての英語力ではなく、実践的な英語力を指すと私は解釈しています。
 
それは、国内外問わず英語話者に自分が伝えたいことも伝えられるし、相手の言いたいことも理解できて、英語を使って笑いあえたり、英語でトラブルを解決できるような力です。
 
フィジーに来てから日常会話で使うフレーズの語彙が増えて、ローカルの方々と話すのが以前よりも難しく感じなくなった生徒がいたり、英語で話し合いができるようになった生徒がいたりと、それぞれがそれぞれのスピードで英語力を伸ばしています。
 


(※2)【目標2】好奇心に基づいた探究活動を通して学習者としての自立を目指す。

放課後の時間を使い、興味のあることや好きなことを調べ、実際にやってみる「マイプロジェクト」に取り組んでいます。
週に1〜2回、学院チューター(先生でも友達でもない、インフィニティ国際学院ならではの斜め上の大人のこと)と面談する時間もあるので、自分の思った通りに「マイプロジェクト」が進んでいなくてもサポートしてくれる人がいる環境が整っています。
 
 
例えば、ファッションに興味がある生徒は日本で着られるフィジーTシャツ作りを少しづつ進めているそうです。
またその子は「フィジーの人達が着ている服を知って、写真を集められたら面白そう」だと考え、フィジーでストリートスナップも撮っています。
 
ただ写真を撮るだけではもったいないと思ったらしく、その写真をインスタグラムに投稿し、フィジーのファッションを発信してみたいとも話していました。
まだ、インスタグラムでの投稿は開始していないようですが、フィジーの雰囲気を感じられるような投稿を目指しているようです。
 
このように、自分の「好き」を大切にしたり、興味のおもむくままに活動できる時間がマイプロジェクトです。
平日は少しハードそうにも思えますが、休日は各々が好きなことをして過ごしたり、みんなで出かけたりとしっかり休息が取れるようにもなっています。
 
ある生徒は植物園に行ったり、ショッピングに行くことが多かったそうです。
また、みんなでカフェに行ったり、語学学校の生徒さんとご飯を食べに行ったりしている生徒もいます。
みんなが自分の形でフィジーでの休日を満喫しています。

幸福ってなんだろう?

今回のコラムは、そうしたフィジー旅の

【目標1】世界幸福度第1位の国で幸福の秘密を肌で感じる。

に焦点をあてて、私がフィジーで考えた、「幸福とはいったい何か」について書いてみたいと思います。

きっかけ

幸福について考えるきっかけになったのは、滞在先の近くにあるスーパーのお姉さんでした。

私はフィジーが「世界一幸福度の高い国」だということを、フィジーに来る前から知っていました。そして、

「世界一幸せな国ってことは、きっと街ゆく人はみんなフレンドリーで、笑顔で、優しい人ばっかりなんだろうな~。お店の人も語学学校の先生も、きっと温かいんだろうな~。南国の雰囲気、いっぱい感じられる!」

と思っていました。
 
 
しかし、フィジーに到着して早々、そのイメージは覆ることになりました。
 
 
フィジーに滞在し始めて1週間くらいが経ったある日のことです。私は、フィジーに来てからすでに2〜3回くらいは訪れていた馴染みのスーパーに買い物に行きました。

滞在先の近くにあるそのスーパーには出入り口に当たる扉がなく、例えるなら日本の古くからある八百屋さんが大きくなったかのような作りです。
そこでは玉ねぎが大きな樽のようなものに入って売られていて、現地の人は良さそうな玉ねぎを選んで袋に入れ、店員さんに渡して重さを量ってもらってレジに持って行きます。
 
 
私は良い玉ねぎの選び方を知らなかったので、現地の人の見よう見まねで玉ねぎを選び、袋に入れました。他の野菜や果物も買いたくて、ピーマンやりんごも袋に入れて店員さんに渡し、量ってもらいました。

日本の3分の1くらいのサイズの玉ねぎ、2倍ほどの大きさのピーマン、なぜか扉が開けっ放しの冷凍庫…etc
スーパーを見渡して日本との違いを再認識し、海外に来た実感を湧かせながら、買い物をしました。

その日の私はなぜかカゴやカートを持っていなかったので、冷凍の鶏肉と野菜や果物が入った取っ手のない袋をいくつも抱えて、落とすか落とさないかのギリギリの攻防戦を繰り広げながらレジに向かいました。
 

(抱えきれない食材に悪戦苦闘する私)


 
その状態のまま少し並び、自分の前の人が会計に進んだタイミングで私は、光の速さでレジの横の台に商品を置きました。
 
そしていよいよ自分の番。
こちらは壮絶な攻防戦を繰り広げた直後なのにも関わらず、レジ打ちの係をしていたお姉さんは驚くほど不機嫌な様子で、こちらを一瞥しただけで無言で商品のスキャンを始めました。
 
そのお姉さんを見た時に、
「フィジーって世界一幸福度が高いはずなのに、幸せじゃなさそう!」
と思いました。
 
 
もし、日本のスーパーの店員さんであれば、気を付けさながらのピンとした脚、コロナが最も流行っていた時ですらマスク越しに分かる笑顔、きっと日常よりもワントーン高いであろう声色で接客をしてくれます。

そして、私の想像の中にいた「世界一幸福度の高い国の店員さん」は、フィジーを感じさせる「Bula!」という挨拶から接客が始まると思っていました。そこから、気分はどうかとか、どこから来たのかとか、こっちが1歩引いてしまうくらいに陽気かつフレンドリーに会話を始めると思い込んでいました。

しかし、実際にフィジーのスーパーにいたお姉さんは猫背気味で、目は全く合わず、口角も下がっていました。商品を置く台があったので脚は少し見えにくかったのですが、おそらく左足に体重をかけていたと記憶しています。
 
この日感じた、「事前に持っていたイメージ」と「実際に出会ったお姉さん」とのギャップが、幸福について調べるきっかけになりました。

日本の2倍ほどの大きさのピーマン
スーパーを見渡して日本との違いを再認識

そもそも「幸福」や「幸せ」ってどういう意味?

私は何かを疑問に思って調べ始める時、まずその言葉の意味から明確にします
そこで今回も、最初に「幸福」や「幸せ」というワードについて検索をかけてみました。
 
例えばコトバンクによると「幸福」とは、

「恵まれた状態にあって不平を感じないこと。満足できてたのしいこと。めぐりあわせのよいこと。また、そのさま。さいわい。しあわせ。」

とあります。
 
 
またgoo辞書には、

「満ち足りていること。不平や不満がなく、たのしいこと。また、そのさま。しあわせ。」

と書かれています。
 
 
一方「幸せ」は、コトバンクでもgoo辞書でも、

  1 運がよいこと。また、そのさま。幸福。幸運。
  2 その人にとって望ましいこと。不満がないこと。また、そのさま。幸福。幸    い。
  3 めぐり合わせ。運命。
  4 運がよくなること。うまい具合にいくこと。
  5 物事のやり方。また、事の次第。

と書かれています。
 
 
このように言葉の意味を確認してみた結果、「幸福」や「幸せ」とは「満たされていること」「不平や不満がないこと」を意味していると分かりました。

そこで本コラムでは、「幸福≒幸せ」として扱っていきますね。

幸福を感じる要素は?

では、幸福はどのようにして感じられるのでしょうか。

「幸福」という言葉の意味について調べていると、「幸福の3要素」「幸せを構成する8つの要素」といった類のフレーズが目に入ってきました。
 
 
RISTEX社会技術研究開発センター(※3)によると、

幸福の定義の3要素とは「幸福感」「信頼感」「向社会行動」であり、この3つは循環している。
大切なのは、何が幸福感の要因か、ということでなく、この 3つの要素がつねに循環している状態

なのだそうです。確かに、幸福を感じられる要素は食事や睡眠、人間関係や収入などいくつかあるような気がします。
 
 
また、Dynamic Creation(※4)によると、人を幸せにする8つの要素として

健康・人間関係・自己成長・仕事・経済・環境・趣味・余暇・貢献

があげられています。
 
どうやら幸福とは、1つの何かで決まるわけではなく、いくつもの要素が合わさってから「なる」もののようです。
 
さらに幸福について調べを進めていると、「主観的幸福」「客観的幸福」というワードが出てきました。

「ああ、また難しいトピックに手を出してしまったかもしれない…。」

と思いましたが、単純にそれぞれの違いを確かめたかったので調べ続けることにしました。
 
 
「主観的幸福」とは、

「アンケートなどにより把握するもので、包括的に自己評価し、個人が人生の 満足度や幸福度をどのように評価しているか」

とあります。

例えば、お金があれば幸福を感じられる人もいれば、人間関係が良好であれば幸福を感じられる人もいます。また、どちらも満たされていたとしても幸福を感じない人もいます。
こういった幸福に関する主観的な評価のことを「主観的幸福」といいます。
 
 
一方、「客観的幸福」とは、

「脳波などの生理学的指標を用いて幸福度をとらえるものである。これを客観的とするのは、幸福か否かの判断が外部的に定められた基準に基づくから」

だそうです。
衣食住や収入、社会保障、人間関係などが客観的に見て満たされているなら、ある程度の幸福が保障されるように思えます。そういった見方を「客観的幸福」といいます。
 
 
これらの情報から考えると、猫背気味で、目は全く合わず、口角も下がっていて不機嫌そうだったフィジーのスーパーのお姉さんは、不平を感じており、主観的幸福の観点で満たされていなかった可能性があります。

また、GDPの低さや慢性的な医療従事者の不足などといったフィジーの現状から考えると、貧困に苦しんでいる人が多かったり、満足に治療が受けられ無い人が多かったりするのかもしれません。

そのため、幸福度が高いのは辻褄が合わないような気もします。


(※3)
RISTEXは、Research Institute of Science and Technology for Society(社会のための科学と技術の研究所)の略。
SDGsを含む社会の具体的な問題の解決や新たな科学技術の社会実装に関して生じる倫理的・法制度的・社会的課題への対応を通して、経済的価値のみならず、新しい社会的・公共的価値の創出を目指している開発センター。

(※4)
金融教育、ビジネス研修、スクール・コミュニティ運営、司会・MC・ファシリテータなどをしている会社。

じゃあなんでフィジーは幸福度1位なの?

スーパーのお姉さんは不機嫌そうで、GDPや医療の面からみても不便な面が多そうなフィジーですが、なぜ世界一幸福度が高い国になったのでしょうか。

永崎裕麻『世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論』(いろは出版,2015年)によると、

「共有・テキトー・現在フォーカス・つながり」

の4つがフィジー人の幸せの習慣とされています。

「共有」

フィジーでは「モノや経験を多くの人と共有すること=幸せ」という考え方があります。
「共有」は人との繋がりの中でしか起きないことです。

だからこそ、誰かとモノや経験を共有することで人との繋がりや自分の存在価値を確認することができ、良好な人間関係を築けていると認識できるのだと思います。

また、共有すれば、自分が金銭的に困っていてモノを買えない時、誰かに助けてもらうことができます。
そのため、結果的に「共有は悩みをゼロに近づける最良の手段」となるのです。

「テキトー」

パトカーが私用で使われていて出動できなかったり、パスポートの在庫が切れて国民が出国できなくなったり…etc
フィジーには、こうした「テキトー」な人が多いそうです。

なぜなら、成功や失敗を「神様の思し召しであって、自分ではどうしようもないこと」という考えや「相手もできなくて当然」という考え方を持っているからです。

そのため、完璧を求めて、どうでもいい些細なことに固執することが無いのです。

「現在フォーカス」

フィジー人には「反省する」という習慣や「準備・計画をキチンとする」といった習慣がないそうです。

つまり、過去(=反省)と未来(=準備や計画)のために生きていないという事です。

悩みの多くは「今」にはなく、過去と未来にあり、フィジー人は今を生きているので、ほとんどの悩みが消えてくれます。

「未来とは今の積み重ねでしかない」のです。

「つながり」

フィジー人は他人とつながりを持ち、その人の幸せ分も自分の幸せ分としてカウントできるそうです。
もしそうやって一緒に喜ぶことが出来たら、友達や知り合いの数だけ自分が幸せになれます。

だからフィジー人はつながりを大切にし、それが幸福度が高い理由になっているのです。

 
フィジー国民の誰しもがこれらの習慣や考え方を持っている訳ではないと思いますが、こういった傾向にあるようです。

この習慣がフィジーという国に文化として根付いているなら、客観的に見て幸せとは言えなくても、主観的な幸福度が高くなるため、フィジーが幸福度調査において世界一になったことも説明が付きます。

笑顔=幸福?

私はスーパーのあのお姉さんに対して、「笑顔じゃ無い」という点から幸福ではなさそうだと思いましたが、そもそも笑顔である人は必ずしも幸福なのでしょうか

笑顔と幸福について調べていると、ほとんどの人が一度は聞いたことのある「笑顔になるだけで幸せを感じる」というトピックを取り扱っている記事が多くありました。
 
 
しかし、日本のスーパーの店員さんを思い浮かべてみると、笑顔で接客はしてくれていますが、その人たちが幸せを感じているかと問われたら、私には分かりません。

それに、疲れているときでも笑顔での接客をすることは非常に体力を使うので、それによって幸福度が多少下がる可能性もあります。
であれば、「笑顔=幸福」は成り立たない場合があると言えます。
 
つまり、裏を返せば、

「フィジーって世界一幸福度が高いはずなのに、幸せじゃなさそう!」

と衝撃を受けるくらい機嫌が悪そうだったフィジーのスーパーのお姉さんも「笑顔が無いから幸福ではない(=不幸)」とは言えないはずです。

見方を変えれば、機嫌が悪いときに愛想を振りまかなくても許される労働環境は良いと言えて、フィジーにはそういった場所が多いのかもしれません。
 
 
ここまで、フィジーのスーパーで出会ったお姉さんをきっかけに幸福について考えたこと、調べたことを述べてきました。

幸福とは多くの要素が関係し合い成り立つこと、フィジーは主観的幸福度が高いため「世界一幸福度が高い国」になったと考えられること、「笑顔=幸福」は成り立たない場合があることが分かりました。

今回、幸福について考えたり調べたりしたことによって、「世界一幸福な国」だからといって、もちろん国民全員が笑顔で幸福な訳ではないし笑顔ではないからと言ってその人が幸せではないと決めつけるのは浅はかなように思えてきました。
 
 
また、最近私は、SNSで誹謗中傷を見かけた時に、

「ネットで見えてる情報なんてごく1部なのにそれだけで判断するなんてひどいな…」

と思う機会が多くありました。
 
ですが今回の経験を通して、自分も誹謗中傷している人たちと同じように、自分が知っている断片的で少ない情報の中で「幸福」を判断してしまっていたことに気付きました。

その事実は自分にとって少しショックでしたが、ショックを受けるほどの大きさを持った出来事だからこそ、今後もずっと私の中に学びとして残る気がしています。

終わりに

最後までお読みいただきありがとうございました。

2ケ月更新をお休みしてしまったので、自分の中で書くことへのハードルが上がっていました。
しかし、書いているときの楽しさは失われていなくて安心しました。

どうかこの活動が私と読んでくださる方にとって何かのきっかけになり、
いつか「意味があった」と笑って振り返ることができる、確かな道になりますように。

フィジーでの生活の様子

参考文献

・草津市 草津未来研究所,「幸福度研究に関する調査研究報告書 ―総合計画への幸福度指標導入について―」,2012年 10月

PROFILE

インフィニティ国際学院 高等部 在校生ライターM

インフィニティ国際学院 2022年4月入学 4期生