高齢化社会が社会課題である日本で、介護の職業を体験しつつ、一人ひとりに与えられた限りある時間をどう生きるか考える研修です。
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デイサービス・特別養護老人ホームでの研修
北九州では、社会福祉法人もやい聖友会さんにお世話になりながら、「老・病・死について考える」をテーマに4週間の滞在型学習を行いました。
生徒たちは、もともと介護に大きな関心をもっていたわけではありませんが、職業体験と並行して「老・病・死」を考える対話の時間を設け、見て・触れて・感じたことを言語化することで、日本の抱える課題感、仕事の必要性、自分の人生を考えるきっかけとなりました。
実際の研修の様子
特別養護老人ホームでは、介護度の高い方のほとんどが認知症を発症しておられ、普段自分が行っているコミュニケーションとは異なるやりとりが求められます。何の話をすればよいのか、どうすればよいのかと戸惑っている生徒たち。食事のサポートやレクリエーションをともに行い、一緒に過ごす時間を徐々に増やしていくことで、どのように他者と関わっていくべきかを徐々に学んでいる様子でした。
例えば、認知のレベルが落ちている人に対して子供に話しかけるような態度で話すのは違うなと感じたり、毎日顔を合わせてお世話をすることで仲の良い関係になり、また違ったコミュニケーションが発生しやすくなったり。耳が聞こえにくい人もいるため、大きな声でゆっくりと話す必要があったり、忘れてしまうために何度も同じ話をしなければいけない方もいたり、多種多様なコミュニケーションに試行錯誤。
最終発表では、『①事業所体験を通して、目の前の人とどう向き合い、どう行動したのか(誰に、なぜ、どうやって)』『②限りある時間(命)について考えたこと』の2つをテーマに、生徒たちが「生きること」の本質を貫く素敵なプレゼンテーションを行いました。社会福祉法人の理事長を始めとする現場の方にも参加いただきましたが、みなさまのコメントと興奮から、プレゼンテーションの完成度の高さを実感することが出来ました。
多くの学びの得た学習となりました。